在黙 只、黙って此処に在る日記。
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勝手に映画論 vol.06

10.05.16

「BULLET BALLET バレット・バレエ」

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1989年の初期作品「鉄男」がローマ国際ファンタスティック映画祭のグランプリを取り、国際的に評価が高く、「世界の塚本」とまで呼ばれている「塚本晋也」監督の1998年作品。

前もって言っておくと、前回の映画論でも言ったとおり、日本で一番好きな映画監督なので、たぶんかなり主観的でひいき目な感想になってると思います。

この映画は、塚本晋也監督の制作会社「怪獣シアター」100%出資の純正映画で、殆どの作品がそうである様に、監督自身、美術・脚本・照明・編集等全てに関わっていて、さらに主演までしている。

ストーリーは「死と拳銃に異常な執着心を抱く男が、不良グループの抗争に巻き込まれる様を描いたバイオレンス活劇」(goo映画より)という簡単な説明になってしまうけど、実際のところ、思想と意味が複合的にコラージュの様に交差していて、全部を理解するのは難しいけど、抽象的な感覚として確実に突き刺さってくる「何か」がある。

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観ているうちに、枠をはみ出した感性が、溢れるエネルギーと共に右脳を否応無く刺激し、例えるなら、100%の黒で塗りつぶされている様に見えるキャンバスが、実は99%の黒で、残りの1%に垣間見える「ピュア」な部分に惹き込まれる様な不思議な感覚だった。

印象的なシーンを敢えて言うと、中盤で僅かに映し出された「高校生の授業風景」。「闇の中の一寸の光」の様な描写が、あまりにもリアルで、凄まじいコントラストの様に見えた。

映像・デザイン・編集・音楽等全てにおいて独自の絶対的世界観があり、「言葉」ではとても表現できないが、作品自体が「生きる様」の様に受け取れて、どの作品を観ても必ず「信頼感」と「安心感」が途中から生まれてくるので、観終わった後に「観て良かった」となる。

「映画」を「映画」として観るのではなく、ひとつの「表現」として観ることのできる人におすすめします。

5/22(土)より上映される新作、新しい「鉄男」が楽しみだ。

[作品情報]
作品名: BULLET BALLET バレット・バレエ
製作年: 1998年
監督: 塚本晋也
出演: 塚本晋也、真野きりな、村瀬貴洋、中村達也、井川比佐志 他

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