在黙 只、黙って此処に在る日記。
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勝手に映画論 vol.03

10.03.05

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

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前回、前々回から、いきなりタイムスリップしたかのように現代に戻ってきてしまった。

この映画は、F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を映画化したもので、「セブン」や「ファイトクラブ」を手掛けたデヴィッド・フィンチャー監督による2008年の作品。

「80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命を背負ってしまった、ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)の数奇な人生を描く」というストーリー。

「肉体のみ成長の流れが逆進行する」という主人公の設定が面白いと思い、「セブン」や「ゲーム」、「ファイトクラブ」、「パニックルーム」は通っているので、今回はどんな作品なんだろうと、期待と興味を持って借りてみた。

収拾するのが難しそうな設定だけど、監督のこれまでの代表作とは全く異なるテイストで、ゆっくりと丁寧に人生の経過が描かれていて、多少の引っかかりはありながら、意外性と共に説得力ある形で綺麗に収まっていたと思う。

かなり高度な特殊技術を駆使してるにも関わらず、技術が出過ぎず、ストーリーがちゃんと前に出ていたのも良かった。

印象的だったのは、「死」を連想させる描写が多い中で、登場人物の「雷に打たれても生きている人」の様に、逆説的な描写が際立っていたところ。「生」と「死」の不自然な関わりが、主人公の設定に繋がり、「生」の中に存在する時間の「儚さ」、「虚しさ」、そしてそれを感じるからこその、「今」という時間の「貴重さ」について考えさせられた。

ただ、気になったことといえば、主人公の周りにいる人達が「いい人」ばかりだったことと、時折挟まれてるシーンに無駄を感じた部分があったこと。アメリカっぽさが出てて良いといえば良いんだけど、「それ要るかな~」って思ってしまった。

同ストーリーの映画化の話は、別監督でこれまでに何度かあったらしいけど、当時の技術では実現が難しく、流れていたらしいので、最新の技術とデビッド・フィンチャーの才能によってようやく実現できたというところだろうか。

167分もあるのに長いと感じなかったし、全体的に分かりやすく、観て損はない映画だと思うので、興味があれば是非観てみてください。

[作品情報]
作品名: ベンジャミン・バトン 数奇な人生
製作年: 2008年
監督: デビッド・フィンチャー
出演: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン 他

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